補助金の申請をコンサルに丸投げしてはいけない3つの理由

事業再構築補助金の公募要領が発表となりました。ここでは、コロナ禍で生き残るためには、経営者自らが先頭に立ち社内一丸となって事業を再構築する抜本的な取組が求められること、補助金の採択率や金融機関の担当者との関係構築の視点から補助金は「外部コンサルに丸投げしてはいけない」ことをお伝えします。

目次

理由①:事業再構築は経営者自らが先頭に立って取り組むべきものだから

公募要領に先駆けて発表されていた事業再構築指針が示す事業再構築の類型の定義内容や、相当の付加価値額の増加を見込む事業計画を策定することが要件に加わっていること等から、ハードルが高い補助金と言われています。

しかし視点を変えると、経済産業省は、このコロナ禍で生き残るには「小手先の対応では無理」で、「より高い次元の事業計画が必要」との考えを示していると捉えることができます。また、1兆1485億円という巨大な総予算は、コロナ禍における事業再構築の重要性を物語っています。つまり、コロナ禍で生き残るためには、事業の抜本的な再構築が必須であることがわかります。

ところで、「補助金」は採択されるか否か、つまり「もらえる」「もらえない」がどうしても気になります。そうなると、補助金ありきで事業計画を策定することになりがちですが、コロナ禍で生き残るために必要なのは補助金ではありません。必要なのは「事業を再構築すること」です。補助金については「採択されたらラッキー」程度に考えるべきでしょう。

事業の抜本的な再構築は、経営者自ら先頭に立ち、社内が一丸となってチャレンジし成し遂げるものです。外部の客観的な視点も重要ですが、主導するのは事業者です。ですから、外部のコンサルタントに丸投げしてはいけないのです。

ここまでが大事なお話で、ふたつ目とみっつ目は補足です。

理由②:経営者が書いた計画書は説得力があるから

二つ目は、補助金の採択に関わることです。前項で補助金ありきは云々と書きましたが、採択されるにこしたことはありません。

桃太郎ストーリーでも書きましたが、外部のコンサルタントが書いた計画書は、審査員にはすぐにわかります。プロの臭いがするからです。プロが書いた計画書はキレイにまとまっていて確かに合理性はあります。しかしながら経営者が自ら書いた計画書が持つ迫力には到底かないません。経営者自らが書いた計画書は、合理性に少々甘さはあっても、説得性で大きく上回るのです。

審査員も人の子ですから、応援したくなる計画には高い点を付けたくなります。そして、応援したくなる計画とは、経営者の真剣な顔が見える計画書なのです。このことからも、外部のコンサルタントに丸投げしてはいけないのです。

理由③:金融機関との信頼関係を構築するチャンスになるから

三つ目は金融機関との関係にからみます。

補助金は、補助事業が終わった後に精算払いされます。従って補助事業の資金は精算まで事業者が負担することになります。そこで必要になるのが「つなぎ融資」です。つなぎ融資は金融機関に頼むことになりますが、その際に「補助事業の計画書」が必要になります。

金融機関の営業担当や融資担当も、補助金の審査員と同様に事業計画書を見る目に長けており、プロが書いたのか経営者が書いたのか、その違いをひと目で見抜きます。説明は不要と思いますが、金融機関も経営者が自ら書いた計画書を評価します。金融機関との関係を考えると、結論をあえて述べる必要はありませんね。

コロナ禍で生き残るためには、経営者自らが先頭に立ち社内一丸となって事業を再構築する抜本的な取組が求められること、補助金の採択率や金融機関の担当者との関係構築の視点から、事業再構築補助金は「外部コンサルに丸投げしてはいけない」ことをお伝えしました。

経営者ご自身で事業計画を考えるために、「桃太郎ストーリー」をぜひご活用ください。

目次