通る事業計画は「桃太郎」が教えてくれる(改訂版)

前回は「通る事業計画」のポイントをご紹介しました(こちら)。その中で特に審査員の考え方である「事業計画のストーリー」に沿って書くことが大事とお話ししました。しかし、事業計画のストーリーには経営用語がでてくるので、とっつきにくい側面があります。ところが、皆さんがご存じの昔話「桃太郎のストーリー」に置き換えると、とたんに考えやすくなります。

*本稿は2021年1月11日の投稿の改訂版です。

目次

「桃太郎のストーリー」を使うと誰でも事業計画が書ける

「桃太郎のストーリー」とは

皆さんがご存じの昔話の桃太郎は「勇気があり力が強い桃太郎が、村に悪さをしにくる鬼を、サル、イヌ、キジとともに退治する」というストーリーですね。これを前回の「事業計画のストーリー」にあてはめると、次のように整理できます。

まず、勇気があって力が強いという桃太郎の紹介は、会社の「特長」にあたります。そして、村は悪さをする鬼に困っていますが、これは社会の困りごと(課題)に該当します。桃太郎は鬼を退治することにしますが、これは社会の困りごとの解決にあたります。その際、桃太郎はサル、イヌ、キジを仲間にします。これは鬼退治に必要な戦力の強化です。つまり設備などの強化、すなわち経営革新に該当します。

いかがでしょう。難解だった事業計画の流れが、わかりやすくなったと思いませんか。

桃太郎ストーリーで展開するメリット

説明不足を防いでバランスよくかける

そもそも事業計画書に求められる項目に沿っているストーリーですので、項目の記入不足を防ぐことができます(*)。また、ストーリー(話の流れ)を意識することで、話のポイントを理解して書くことになりますので、説明も十分にできるようになります(ストーリーの理解がないままに書くと、事業計画書の項目を埋めるだけの対応になりますので、どうしても説明が不足しがちです)。

(*)補助金等が求める記載事項を網羅できることを保証するものではありません。記載事項については募集要項をご自身でご確認ください。

社内で共有しやすい

補助金の申請や補助金を活用した事業は全社が一丸となって取り組むことになります。その際は「事業計画のストーリー」を全員で共有する必要がありますが、「桃太郎のストーリー」に置き換えることで理解しやすくなり、計画や実施が円滑になります。

読み手が応援したくなる

読み手(審査員)の考えに沿ったストーリーですし、またストーリーを通じて「社会の課題を、自社が新しいことに取り組むことで解決したい」という想いが語られますので、自然と読み手が応援したくなる計画書になります。

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