【自分で書く】事業計画の書き方は昔話の「桃太郎」から学ぼう

小規模事業者持続化補助金などの補助金の申請には事業計画が必要です。そして、事業計画は優れたものから順番に通ります。では、通る事業計画とは、どのようなものでしょう。コンサルタントに頼むべきでしょうか。いいえ、自分でできます。ポイントは「内容に不足がないこと」「読みやすいこと」、さらに「応援したくなること」です。それは誰でも知っている「桃太郎」のお話で考えれば、慣れていない方でもポイントをおさえた事業計画を書くことができます。では、はじまりはじまり。

目次

通る事業計画の3つのポイント

ポイント1:内容に不足がないこと

事業計画が要求している「項目」を不足なく書く

補助金の相談などを受けていて、応募要項が求める内容が足りていない計画書をよく見かけます。例えば小規模事業者持続化補助金(コロナ対応型)の様式2の事業概要の欄では「自社の概要や市場動向、経営方針を記載してください」とあります。この求めに対し、市場動向が書かれていないと要求項目を満たしていないことになります。

項目の「説明」も不足なく書く

要求項目に対応していても、説明が不足している計画もよく目にします。例えば、市場動向について市場の売り上げデータを示すだけで、その根拠となるニーズに触れていないケースなどです。また、集客方法について「SNSを使う」としか書かれていない計画も散見されます。説明不足は項目不足と同様に通りにくくなる要素です。

ポイント2:読みやすいこと

「読みやすい」とは読む相手の考え方に沿っていること

審査員は限られた時間の中で数多くの計画書を審査します。その状況であなたの計画書を理解してもらうためには「読みやすい」ことが必要です。それでは「読みやすい」とはどのようなことでしょう。いくつかありますが、そのひとつに「読む相手の考え方に沿っている」ことがあげられます。

例えば「パンにはバターが合う」と考えている人に「パンにはバターですね」と語りかければ、相手はストレスなく受け入れるでしょう。ところが「パンにはオリーブオイルが最高だと思います」と語りかけたらどうでしょう。確かにそうかもしれませんが、相手は自分とは違う考えを受け入れるために少しストレスを感じるかもしれません。いかに相手にストレス無く受け入れられるか、がポイントです。そして、それには相手、すなわち審査員が誰かを知る必要があります。

補助金の審査員は誰か

補助金の審査員の多くは中小企業診断士です。ですから、まず彼らにストレス無く読んでもらわなくてはなりません。そのためには、彼らの考え方を知る必要があります。

審査員である中小企業診断士はどのような考え方で事業計画書を読むのでしょうか。実は、彼らには共通した考え方「成長する企業に求めるストーリー」があります。その根拠は、彼らが資格をとるために勉強した試験にあります。

審査員(中小企業診断士)の考え方を知る

中小企業診断士の試験では事例企業に対する提言が求められます。試験制度は平成13年に新制度となって以降(驚かれるかもしれませんが)問われる内容がいつも同じなのです。同じ問題が出るという意味ではありません。根底に流れているストーリーが同じなのです。詳細を語ると長くなるので別の機会に譲りますが、そのストーリーとは「自社の特長を活かし、社会の課題やニーズに、経営を革新して対応し、成長する企業」です。

中小企業診断士が勉強するこのストーリーをより事業計画らしく整えると「当社は、現在このような特長をもつ事業を行っています。一方で社会にはこのような課題(ニーズ)が存在しています。この課題(ニーズ)への対応を使命と考えています。そのために必要な戦力を強化し、具体的な取組みを行い、期待される効果を出したいと考えています」となります。これが補助金の事業計画に求められるストーリーです。そして「必要な戦力の強化」が補助金で補いたい箇所にあたります。

このように、審査員である中小企業診断士の頭の中にあるストーリーに沿って事業計画を書けば「読みやすい!」という印象につながるのです。

事業計画に求められるストーリー
事業計画に求められるストーリー

ポイント3:応援したくなること

社会の課題解決まで踏み込むこと

最後のポイントは「応援したくなる計画かどうか」です。補助金は国民の税金ですから、審査員はその事業が税金を投入するに資するかどうかも見ています。つまり社会の課題解決につながるかという視点の高さで見ているのです。自社の都合や利益だけが書かれた計画と、社会の課題解決にまで踏み込んだ計画と、どちらを応援したくなるかはご理解いただけるでしょう。

自分の言葉で伝えること

経営者は日々の会社経営に忙殺されますので、事業計画を作成する時間の捻出は難しいことはわかります。コンサルタントなどに外注すると体裁はきれいに整いますが、経営者ご自身で書かれたものと比べて熱量や迫力に欠けます。私はそのような計画書を数多く見てきました。多少見栄えが悪くても、経営者自身が書いた計画書は伝わり方が違います。読んでいて応援したくなる計画書はどちらであるか、これもご理解いただけると思います。

通る事業計画は「桃太郎」が教えてくれる

「桃太郎ストーリー」を使うと誰でも事業計画が書ける

さて、ここまでは「通る事業計画」のポイントを3つご紹介しました。しかし、いきなりこれらのポイントを意識して書けといわれても、すぐには難しいでしょう。ところが、皆さんがご存じの昔話「桃太郎のストーリー」で考えれば誰にでも書けるようになるのです。

「桃太郎ストーリー」とは

皆さんがご存じの昔話の桃太郎は「勇気があり力が強い桃太郎が、村に悪さをしにくる鬼を、サル、イヌ、キジとともに退治する」というストーリーですね。これを先ほどの「事業計画に求められるストーリー」にあてはめると、次のように整理できます。

桃太郎ストーリーのチャート

対比させると、次のようになります。桃太郎は勇気があって力が強い少年という説明は、会社の事業の特長などの紹介にあたります。村は悪さをする鬼に困っていますが、これは社会に存在する課題(ニーズ)に該当します。桃太郎は鬼を退治することにしますが、これは社会の課題(ニーズ)に対応することにあたります。鬼退治のために桃太郎はサル、イヌ、キジを仲間にしますが、これは課題に対応するために必要となる戦力の強化に該当します。物語ではキビダンゴを報酬にサル等を仲間に引き入れます。つまり「補助金キビダンゴ」ということになりますね。鬼ヶ島に向かう際にイヌはこぎ手に、サルは舵取りに、キジは物見にたちますが、これは課題解決のための具体的な取組みを表します。力を合わせて戦った結果、鬼は降参し、村は平和になりますが、これは文字通り、取組に期待される成果のことです。

いかがでしょう。難解だった事業計画の流れが、わかりやすくなったと思いませんか。

桃太郎ストーリーで展開するメリット

説明不足を防いでバランスよくかける

そもそも事業計画書に求められる項目に沿っているストーリーですので、項目の記入不足を防ぐことができます。また、ストーリー(話の流れ)を意識することで、話のポイントを理解して書くことになりますので、説明も十分にできるようになります(事業計画が求めるストーリーの理解がないままに書くと、項目を埋めるだけの対応になりますので、どうしても説明が不足しがちです)。

*補助金等が求める記載事項を網羅できることを保証するものではありません。記載事項については募集要項をご自身でご確認ください。

読みやすく書ける

事業計画を読む審査員の考え方に沿って展開しますので、自然に頭に入る読みやすい計画書になります

読み手が応援したくなる

「社会の課題を、自社が新しいことに取り組むことで解決したい」という想いが経営者自身の言葉で語られますので、自然と読み手が応援したくなる計画書になります。

桃太郎ストーリーで書く事業計画作成シートをダウンロード

桃太郎ストーリーに関する説明は以上です。書き方のコツを加えたシートをご用意しましたので、よければご活用ください。

書き方イメージのサンプル

サンプル

書き方のコツ付き

例えば、「現在の事業内容と事業の特長」については、「事業内容は、誰に、何を、どのように提供している、の視点で書くと伝わりやすくなります。特長とは、桃太郎の勇気や強い力にあたります。あなたの事業の得意な点や持ち味などを述べます」のようなコツを記載しています。

書き方のイメージ付き

また、架空の事業者を例として書き方のイメージも付けましたので、お取り組みいただきやすくなっています。

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